うちの子、左利きかもしれないけど、左利き用はさみが見つからない
こどもが左利きだけど、種類が少なく探すのが大変
利き手が決まっていないのに、左利き用はさみを買ってもいいの?
こんにちは、作業療法士の たけのこ です。
左利き用のはさみって、なかなか見ないですよね。
良さそうなはさみがあっても、右手用だけ。
左利き用はあるようだけど、実店舗にはおいていない…というのが多いです。
なかなか見つからず、困っている左利きの子や、保護者の方に、おすすめハサミを紹介します。
うちの子、左利き。だけど本当にそう?
左利き用はさみを探しているけど、少ない…
それも、そのはず。
左利きの人の割合は、世界中で約10%と言われています。
小学生に上がると、道具箱に入れておく必要があるはさみ。
学童用の左利き用はさみは、制作されている会社も増えてきています。
最近は店舗にも置いてくれたり、学校で一括購入でも、左利きを選べるようになってきました。
ただ、幼児用となると、見つけるのは難しく、子どもにピッタリなものを選ぶとなると、さらに困難ですよね。
幼児用の左利き用が少ないのには、わけがあるのです。
みなさんは、利き手が決まるのが、いつ頃かご存じですか?
様々な文献によると、利き手がはっきり決まるのは、4歳頃*1と言われています。
文献によっては、8歳*2と記載されているものもありますよ。
それまでは、利き手が変わったり、両手を使ってみたりして、自分の利き手を決めていくようです。
参考文献
*1 R.P.Erhardt 著/紀伊克昌 訳『手の発達機能障害』医歯薬出版株式会社,1988年
*2 中尾勇 他著 『利き手に関する基礎的研究―利き手と効き目の関連性―』阪南論集 人文・自然科学編,1996年
うちの子たちも、現在は3人とも右利きですが、利き手がはっきり決まるまで3人多様でした。
下の表を参考にしてみてください。
生後6か月頃 (物をとるときに最初に手を伸ばす方) | 1歳半頃 (スプーンやペンをよく持つ方) | 3歳頃 (スプーンやペン・はさみをよく持つ方) | 現在 | |
長男小5 | 右6:左4 | 右5:左5 | 右8:左2 | 右利き |
次男小3 | 右2:左8 | 右3:左7 | 右5:左5 | 右利き |
長女 年少 | 右9.5:左0.5 | 右9.5:左0.5 | 右9.5:左0.5 | 右利き |
見事にバラバラですよね。
皆さんのお子さんは、いかがですか?
左利きと判断する目安
こどもの利き手はどっち?と観察していると、両手を使っていたり、左を多く使ったりと、利き手が分かりづらい時もあります。
私は右利きですが、フォークとナイフを使うときは、ナイフは左手で使っています。
包丁・鉛筆・はさみ・のこぎりは右ですね…
大人でも、左利きだけど字だけ右手、右利きだけど絵は左手と、はっきりしない人もいます。
そこで、利き手の判断テストというものがあります。
気になった方は、「利き手テスト」で調べると出てきますよ。
ただ、幼児で検査しようとすると、難しい部分も出てきます。
項目には、「くぎを打つときのハンマーを持つ手」や「野菜の皮むきの際、ピーラーを持つ手」などがありますが、
幼児では、未経験のことが多いと思います。
判断基準としては、細かい作業をするときや、狙いを定めて物事をするときに主に使う手、でいいと思います。
つまり、ボールを投げる、紙飛行機を飛ばす、線をなぞる、紐通しの時の紐を持つ方などですね。
利き手がはっきり決まるのは、4歳頃ですから、左利きとすぐに判断する必要もないと思います。
左手用はさみを使う注意点
左手用のはさみを使うときの注意点として、以下の2つがあります。
注意点
- はさみを持つのは、右利き用は右手に。左利き用は左手に。
- はさみの刃の合わせによって、線が見えなくなる
ひとつずつ解説していきます。
はさみを持つのは、右利き用は右手に。左利き用は左手に。
はさみを使い始めるのは、2~3歳が多いです。
この年齢では、利き手が決まっていないことが多く、右手や左手をあちこち使います。
はさみの構造上、右利き用は右手に、左利き用は左手に持たないと、刃がかみ合わず切りにくいものが多いです。
なので、右利き用は右手に、左利き用は左手に持つ必要があります。
ただ、どちらの手でも切れるはさみがありますので、後ほど紹介しますね。
はさみの刃の合わせによって、線が見えなくなる
右手でも左手でも切れるハサミがあるなら、それでいいじゃんと思うかもしれません。
初めてはさみを使うときはいいのですが、少し慣れてきて「線の上を切る」課題となると、難しさがありますよ。
写真を見てもらうと分かるのですが、はさみの刃の向きによって線の見えやすさが違います。
細かい操作や課題をするときは、右利き用は右手、左利き用は左手に持つ必要があることが分かりますよね。
幼児向け 左利き用はさみ(どちらの手でも切れるハサミ)
こちらは、ドイツのはさみ専門老舗「PAUL」さんの、こども用はさみです。
長さが10.8㎝と小さめのはさみで、初めてはさみを使う子におすすめです。
軽いので、扱いやすくなっていますよ。
紙や紐だけ切れて、指は切れない特殊加工になっているので、安全性もあります。
右利き左利き用がありますが、どちらの手でも切れるようになっているようですよ。
利き手が決まっていない子にはありがたいですね。
シンプルで、穴の大きさは上下同じなので、パッと持ってもそのまま切ることができるので、ストレスなしです。
こちらはクツワさん「きっちょん」です。
刃の断面は、鋭利ではないので、もし触ってしまっても怪我はしにくい構造になっています。
また、刃はプラスチックで覆われているので、持ち運びの際も安全ですね。
右手用・左手用がありますが、「押して切る」はさみなので、はさみが閉じれれば紙が切れます。
右手用を左手で使っても、切りづらさはありません。
また、はさみにバネがついているので、はさみを開くことが苦手な子にも使いやすくなっています。
ただ、「押して切るはさみ」であることと、バネは開く方向を助けるので、切るときには少し力が必要です。
慣れてきたらバネをたたんで、普通のハサミとして使うことができますよ。
対象年齢は2歳からで、持ち手の穴も小さめなので、初めてでも使いやすいです。
GOOD DESINGN賞も受賞しており、安全性と切れやすさ、どちらも持っていますよ。
小学生低学年向け 左利き用はさみ
小学生になると、利き手がはっきり決まっていると思うので、利き手に合ったはさみを選んでくださいね。
こちらは、プラスさんの「フィットカーブカット ジュニア」です。
軽い力で切れるような刃の設計なので、牛乳パックも軽く切れますよ。
工作が中心になってきている小学生低学年にピッタリですね。
硬い段ボールや厚紙を切ると、どうしても手が痛くなりがちですが、「フィットカーブジュニア」はグリップ部分が柔らかくなっているので、痛みが軽減されます。
刃にテープやシールなどの粘着物がつきにくいコーティングがされているので、工作中もストレスが軽減されますね。
こちらは、コクヨさんの「エアロフィットサクサ・キッズ」です。
息子たちも、学校で一括購入していますが、やはり使いやすいみたいです。
図工の時間に厚紙を切ることが多いようですが、グリップ部分が柔らかいので、負担が少ないですよ。
息子は「全然手が痛くならないから、楽ちん♪」と話していました。
この「エアロフィットサクサ・キッズ」は、持ち方によって小学生低学年から高学年まで使えるので、長いこと使えますね。
こちらはソニックさんの「メガサク3D エアー」です。
こちらも学校一括購入に、よく選ばれているようですよ。
刃先までこだわっており、刃先で細かい作業がしやすくなっています。
はさみ自体が軽いので、長時間作業しても疲れず、刃の断面が立体的になっているので、粘着物もつきにくく、切れ味は長持ちしますよ。
まとめ
いかがでしたか?
左利き用のはさみで、使いやすい物を5つ用意してみました。
幼児では、利き手が決まっていないので、どちらの手でも切れるハサミを選ぶとよいですね。
小学生に上がったら、利き手が決まるので、切りやすい左利き用のはさみを選んでくださいね。
以下、商品の特徴をまとめてみました。
PAUL こども用はさみ | クツワ きっちょん | プラス フィットカーブカットジュニア | コクヨ エアロフィットサクサ・キッズ | ソニック メガサク3Dエアー | |
大きさ (㎜) | 108×50 | 135×61×12 | 144 | 142×65 | 150×70×10 |
重さ (約g) | 16 | 30 | 50 | 39 | 35 |
対象 | 1歳半~3歳 | 2歳~5歳 | 年長~小学生低学年 | 年長~高学年 | 小学生低学年~高学年 |
特徴 | とにかく小さめ シンプルデザイン どちらの手でも切れる | ばね付き 押切刃で鋭利でない どちらの手でも切れる | 軽い力で切れる グリップが柔らかい 粘着物がつきにくい | グリップが柔らかい 粘着物がつきにくい 低学年から高学年まで使える | はさみ自体が軽い 粘着物がつきにくい 細かい作業がしやすい |
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